ナイアシンアミドとビタミンCは併用可能|2024年最新情報を解説
ナイアシンアミドとビタミンCは、日本の市販品程度の濃度であれば、併用可能です。
しかし、「併用不可」という情報もあり、不安に思っている方も多いかもしれません。
そこで、この記事では、2つの成分を愛用する筆者が、その答えをまとめました。
2022年公開の学術文献や、2024年の米Googleなど、信頼できる情報だけを厳選。
この記事を読めば、ナイアシンアミドとビタミンCを賢く活用できるはずです。
ナイアシンアミドとビタミンCは併用可能
答えからお伝えすると、筆者がエビデンスを調べる限り「併用可」です。
SNSでの情報発信が増え、どれが本当の情報かわからなくて困りますよね。
いや、本物の情報だと思っていたことが間違っているというケースも……。
そこでこの記事では、とことんエビデンスにこだわって調べてきました。
2022年発表の学術文献で「併用可能」とされている
まず、2022 年 2 月 14 日にオンラインで公開された学術文献の情報を見てみましょう。
この情報によると、ナイアシンアミドとビタミンCの混合物は、色素沈着を軽減。
皮膚の弾力性を増加させることがわかっています。
光老化に対する PDRN、ビタミン C、ナイアシンアミドなどの個々の化合物の効果を高めるには、局所製剤としてこれらの化合物を混合すると相乗効果が期待できる場合があります。われわれは、UV-B 照射動物モデルにおける光老化と色素沈着の軽減に対する PDRN、ビタミン C、ナイアシンアミド (PVN) の局所液体形態の効果を評価しました。~中略~
結論として、PDRN、ビタミン C、ナイアシンアミドの混合物である PVN を MTS を介して皮膚に局所塗布すると、酸化ストレスが減少することで皮膚におけるメラニンの合成と蓄積が減少することがわかりました。PVN は、UV-B 照射皮膚における MMP を減少させ、エラスチン線維合成を増加させることにより、コラーゲン線維とエラスチン線維の発現を増加させました (図5)。
引用:A Mixture of Topical Forms of Polydeoxyribonucleotide, Vitamin C, and Niacinamide Attenuated Skin Pigmentation and Increased Skin Elasticity by Modulating Nuclear Factor Erythroid 2-like 2 - PMC(翻訳機能を用いた翻訳)(2024/1/21)
このほか、米国版Googleで「niacinamide vitamin c」と検索。
2024年1月時点の上位10サイトには、どのサイトにも「併用可能」とあります。
むしろ、推奨しているサイトが多い印象でした。
当然、医師などの名前が入った記事においても以下のように掲載されています。
筆者が調べた限り、海外の最新サイトでは「併用可能」としている情報ばかりでした。
ナイアシンアミドとビタミンCは一緒に使えますか?
あなたの質問に対する簡単な答えは、はい、可能です。
引用:「Can You Use Niacinamide and Vitamin C Together? Derms Explain」(翻訳機能を用いた翻訳)(2024/1/15)
ナイアシンアミドとビタミンCを混合できますか?
研究によると、ナイアシンアミドとビタミンCの両方を同じ製品に一緒に混ぜたり、異なる製品を重ねて混ぜたりしても安全であることがわかっています。
引用「Can You Use Niacinamide With Vitamin C? | Paula's Choice」(翻訳機能を用いた翻訳)(2024/1/15)
くわえて、ナイアシンアミドの働きについて、もっと詳しく知りたい方はこちらの記事をどうぞ!
ただし、注意すべき点も!
10以上の海外記事や文献を確認して見えてきたのは、注意点もあるということ。
「純粋なビタミンC(アスコルビン酸)」の併用には注意が必要です。
ビタミンCは、純粋なビタミンC(アスコルビン酸)と、肌に吸収しやすく加工したビタミンC誘導体に分けられます。
誘導体になっていないアスコルビン酸は、安定しにくく単品でも、使い方が難しい製品が多いです。
とくに、濃度が高いものを使用する場合は、単品でも刺激になりやすいケースも。
純粋なビタミンC(アスコルビン酸)と、ナイアシンアミドの併用には注意が必要かもしれません。
刺激が心配な方には、朝ナイアシンアミド、夜ビタミンCという使い方がおすすめです。
併用不可と記載された製品では避ける
併用を推奨されているビタミンCとナイアシンアミドですが、併用不可としているメーカーもあります。
筆者が愛用しているジオーディナリーの製品もそのひとつ。
ビタミンCとナイアシンアミドの併用を不可としています。
これはあくまでも筆者の憶測ですが、ナイアシンアミドとビタミンCといっても100%これらの成分で構成されているわけではありません。
なので、ほかに配合されている成分同士の相性が悪いのかもしれませんし
アスコルビン酸の保存状態などを心配して、併用不可としているのかもしれません。
ジオーディナリーに限らず、ほかの製品との併用不可と書いてある場合には、併用しないようご注意ください。
筆者が愛用しているジオーディナリーのピュアビタミンCは、ジャリジャリと砂のようなテクスチャーです。
肌が過敏なときは、単品でつけても、ピリッと刺激を感じることも。
併用以前に単体でも刺激があるので、そのあたりへの配慮もあるのかもしれません。
日本製品であれば基本的に併用可能
筆者は、日本製の化粧品で「○○とは併用しないでください」といった記述を目にしたことがありません。
日本の医師によるYouTubeや、ブログなどでも同じような発言が多い印象。
「日本製品であれば、問題になるような濃度で配合されていることは考えにくい」ようです。
もちろん、筆者が手にしたことがない製品には、例外があるかもしれません。
製品の説明書きを必ず読んだうえで、併用してみてください。
併用不可と言われるようになった理由
ちまたでは、「ナイアシンアミドとビタミンCは併用不可」という情報が拡散されています。
これだけ「併用可能」という文献があるのに……
なぜ、そのようにいわれるようになったのでしょう?
あくまでも筆者の見解となりますが、ナイアシンアミドとビタミンCが併用不可といわれている理由には、以下の2つがあると考えられます。
1960年代に行われた研究結果のなごり
「併用不可」といわれるようになった原因のひとつは過去の研究結果です。
これは1960年代、つまり50年以上も前に行われた研究結果となります。
この研究では「高温に保たれた純粋なアスコルビン酸とナイアシンアミドを使用したときに、皮膚の発赤やかゆみを引き起こす可能性がある」とされています。
あくまでも、安定しにくいアスコルビン酸を高温に保った場合の話。
ビタミンC誘導体( リン酸アスコルビルマグネシウム、アスコルビン酸テトラヘキシルデシル、 アスコルビルグルコシドなど) には当てはまりません。
2024年現在に普及しているビタミンCの多くは、ビタミンC誘導体として配合されています。
品質の変化も起きにくいよう設計されているため、ビタミンC誘導体と、ナイアシンアミドの併用は問題ないでしょう。
また、純粋なビタミンC(アスコルビン酸)についても、以下のように記述があります。
直射日光にあたり続けるような環境下になければ、併用しても問題ないと考えられるでしょう。
ナイアシンアミドとビタミン C が高温環境で長時間結合された場合にのみ問題になります。この温度は、スキンケア製品の箱を外の太陽の当たる場所に数日間放置するなど、ほとんどの家庭での状況よりも高くなります。~中略~
純粋なビタミンC(アスコルビン酸またはL-アスコルビン酸)とナイアシンアミドを組み合わせるのは問題ありません。
引用「Can You Use Niacinamide With Vitamin C? | Paula's Choice」(翻訳機能を用いた翻訳)(2024/1/15)
併用不可としているメーカーがあるから
前項でご紹介したように、ジオーディナリーでは、ナイアシンアミドとビタミンCの併用を不可としています。
The Ordinary の「ナイアシンアミド(Niacinamide 10% + Zinc 1%)」と、「ビタミンC(Vitamin C Suspension 23% + HA Spheres 2%)」は、併用不可
この情報が、「ナイアシンアミドとビタミンCは併用不可」という情報に変わってしまったのかもしれません。
このほかにもメーカーによっては、併用不可というケースも。
自身の化粧品を確認して、ナイアシンアミドとビタミンCを併用してみてください。
ナイアシンアミドとビタミンC、ひとつ選ぶなら?
なかには、片方ずつ試したいという方もいらっしゃるはず。
そこでここでは、「どちらかひとつを選ぶとしたら……」を、考えてみました。
シミをケアしたい場合は、とくに併用がおすすめ
解説してきたように、ナイアシンアミドとビタミンCは併用が推奨されています。
とくに、シミケアの場合は、併用がおすすめです。
その理由は、メラニンへのアプローチ方法が異なるから。
シミができる原因は、メラニンと聞いたことがある方が多いと思いますが、シミができるまでには大きく分けて4段階の工程があります。
- 工程1
まず、紫外線などの外的刺激を受けて活性酸素が発生すると、「メラニンを作れ~」という指令が出されます。
- 工程2【ビタミンCが作用するのはココ】
次に、メラニンを作る工場のような部分メラノサイトが反応。
すると、チロシナーゼという酵素が作られ、アミノ酸であるチロシンを酸化させ、メラニンを作ります。
- 工程3【ナイアシンアミドが作用するのはココ】
続いて、作られたメラニンがメラノソームという部分に包み込まれます。
そして、表皮細胞(ケラチノサイト)に受け渡されます。
- 工程4
すると、メラノソームを受け取った表皮細胞が表面に浮き上がり、シミになって現れます。
参考:小林製薬「「トラネキサム酸」と「ビタミンC誘導体」「ナイアシンアミド」はどのように違うのですか? | メンズケシミンプレミアム(共通)」
ビタミンCの働き
ビタミンCは、上記の4つの工程のうち、チロシンからメラニン生成過程の中で作用しシミを薄くすることがわかっています。
アスコルビン酸はチロシンからメラニン生成過程の中で、ドーパからドーパキノンへの酸化過程を阻害し、メラニン色素の生成を抑制する。
日本医療情報センター「アスコルビン酸」
ナイアシンアミドの働き
ナイアシンアミドは、上記の4つの工程のうち、ケラチノサイトに作用しシミを薄くすることがわかっています。
ナイアシンアミドは、ヒトの表皮ケラチノサイトおよび皮膚において環境ストレス因子によって誘発されるSASP関連の炎症を軽減します。
引用「Niacinamide mitigates SASP-related inflammation induced by environmental stressors in human epidermal keratinocytes and skin - PubMed」(翻訳機能を用いた翻訳)(2024/1/15)
このような理由得にシミをケアしたい方には同時併用がおすすめです。
筆者個人的にどちらかを選ぶならビタミンC
ここからは、あくまでも筆者のイメージになります。
イメージでいうなれば、「攻めのビタミンC・守りのレチノール」という感じ。
「とにかく変化を求める!」という方には、ビタミンC
とくに誘導体ではなく「アスコルビン酸」と呼ばれるビタミンCがおすすめです。
そして、「肌が敏感な方」「美白~ハリ、毛穴ケアなど多機能を求める」という方にはナイアシンアミドがおすすめです。
ナイアシンアミドとビタミンCを使う順序
筆者も、どういった順番で使っていいのかわからず困ったことがあります。
早速、答えを見ていきましょう。
成分に関係なく水溶性→油溶性の順番で
ナイアシンアミドが先という記述を目にした方も多いと思いかもしれません。
しかし、これはメーカーによって異なりますので、一概に鵜呑みにしない方が賢明です。
100%原液であれば、ナイアシンアミドやビタミンCの成分の特性を生かせます。
しかし、肌に塗るものの場合、基本100%原液ということはありません。
ほかの成分を確認し、水溶性のものの後に油溶性のものを使ってください。
具体的には、軽いテクスチャー(サラサラしたもの)から使うと覚えておきましょう。
また、ナイアシンアミドの効果については、以下記事でもご紹介しています。
さらに、ナイアシンアミドの効果を知ってから使えば、変化を感じやすくなる方も。
ぜひ、こちらもご覧ください。
まとめ
以上のように、ナイアシンアミドとビタミンCは併用可能。
シミ対策にはもってこいの成分です。
美白のほか、シワの改善・皮脂の抑制・肌のトーンアップなど、さまざまな効果が期待できます。
もちろん、刺激が気が気になる方は、朝晩と分けて使うといった方法でもOK。
ぜひ、2つのアイテムを賢く併用してみてください。
ナイアシンアミドとビタミンCにまつわるQ&A
ナイアシンアミドとビタミンCは併用できますか?
2022 年 2 月 14 日で公開された学術文献の情報によると「併用可能」です。具体的には、併用によって色素沈着を軽減。そして、皮膚の弾力性を増加させることがわかっています。
ナイアシンアミドとビタミンCが併用不可と言われる理由は?
50年以上前の研究結果に対して、間違った解釈があること。一定のブランドで併用不可といわれているアイテムがあること。この2つが考えられます。2022年の学術文献や、2024年米Google情報では「併用可能」とされています。
ナイアシンアミドとビタミンC どっちが先?
100%原液ということはないため、最初にそのほかの成分を確認。続いて、水溶性のものの後に油溶性のものを使ってください。具体的には、テクスチャーが軽いもの(サラサラしたもの)から使うと覚えておけばよいと思います。
投稿者プロフィール
- 一部上場企業の美容コラムを中心に、美容ライターとして活動中。普段から、ハイフ・美顔器・YouTubeのマッサージ方法など、さまざまなほうれい線ケアに勤しんでいます。とはいえ、なかなか消えない憎きほうれい線…。自身のほうれい線を消すためにも、有益な情報を集めていきたいと思います。
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